経口避妊薬(OC)・月経困難症治療薬(LEP)

低用量ピルは通常、経口避妊薬(oral contraceptives:OC)を指しますが、広い意味で同様成分の低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(low-dose estrogen-origestin:LEP)も含みます。OCは避妊目的に、LEPは月経困難症や子宮内膜症など疾患の治療を目的として使用します。

【推奨年齢】

初経後から閉経あるいは50歳まで使用できますが、14歳未満の方は骨成長への影響を考慮しお勧めできません。40歳以上では慎重投与となっています。

【禁忌(処方できない方)】

・前兆を伴う片頭痛のある方(前兆がない方は慎重投与)
・妊娠中から産後3週間以内の方(授乳中の方は産後6週間以内)
・妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペス既往
・35歳以上で1日15本以上の喫煙
・乳がんの方(既往や家族歴がある方は禁忌ではありません)
・血栓症の既往のある方
・重症高血圧(収縮期血圧160mmHg以上または拡張期血圧100mmHg以上)
・重い腎疾患、心疾患、肺疾患、肝機能障害のある方
・血管病変合併の糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など)
・手術前4週以内・術後2週以内(30分以上の手術)、および長期間安静状態
・耳硬化症
・診断の確定していない不正出血がある方

【効用】

月経困難症の軽減、過多月経の減少、月経不順の改善、子宮内膜症の進行抑制と症状改善、子宮体癌リスクの低下、卵巣がんリスクの低下、大腸がんリスクの低下、骨粗しょう症の予防、ニキビの改善など

【よくある副作用】

・悪心・嘔吐:1.2~-29.2%
・乳房緊満感・乳房痛:0.1~20%
・頭痛・片頭痛:3.4~15.7%
・下腹部痛:0.1~6.9%

症状の多くは継続して内服することで軽減していきますので、2周期ぐらいは継続して様子をみることをお勧めします。

【重大な副作用;血栓塞栓症について】

凝固因子の上昇や凝固抑制因子の低下により、血液は凝固しやすくなり、血栓塞栓症の発症リスクが高くなります。脱水などに注意して下さい。
1年間で1万人の女性のうち血栓塞栓症の発症は・・・

OC非使用者:1~5人
OC使用者:3~9人
妊婦:5~20人
産後:40~65人

服用開始後3か月以内が最も発症頻度が高く、その後減少します。4週間以上の休薬後に再度服用を開始すると、開始後数か月間は血栓塞栓症の高い発症リスクが再びもたらされます。

注意すべき症状;ACHES(エイクス)
A:abdominal pain(激しい腹痛)
C:chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み)
H:headache(激しい頭痛)
E:eye/speech problem(見えにくいところがある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害)
S:severe leg pain(ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている)
このような症状が出現した場合は緊急で医療機関の受診をして下さい。

【服薬の注意】

・毎日できる限り同時刻に服用してください。
・服薬が遅れたり、胃腸障害などで薬剤の吸収が悪いと効果が減弱し、不正出血が出現しやすくなります。
・消退出血(休薬時の出血)が起きないこともありますが、妊娠の可能性があれば妊娠反応をチェックしてみてください。

服薬忘れへの対処

・1錠忘れて24時間以内に気づいた場合→速やかに1錠を服用して、残りはいつもと同じ時刻に服用して下さい。
・2日以上服用を忘れた場合→服用を中止し、次の月経を待って内服を再開してください。
・第1週に服薬忘れがあり、かつ休薬期間か第1週に性交渉があった場合は緊急避妊を検討します。