中絶手術は母体保護法という法律に基づいて行われる手術です。人工妊娠中絶手術が認められるのは下記の場合のみです。
- 妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
- 性暴力によって妊娠したもの
初診時
- 問診で持病やアレルギー、服用中の薬剤について確認します。
- 超音波検査で妊娠週数、筋腫の有無、胎嚢の部位などを確認します。クラミジア・淋菌検査の希望があれば子宮頚管から検体採取を行います。(クラミジアや淋菌などの感染が子宮内にあると、中絶手術をすることで炎症が悪化し、術後に発熱や腹痛の原因となったり、子宮内癒着の原因となり今後の不妊の原因となることがあるためです。)
- 手術の説明を行い、同意書をお渡しします。
- 今後の避妊方法を確認します。次回の月経までに妊娠する可能性あり、希望があれば経口避妊薬の処方や、手術中にミレーナ(IUS:子宮内避妊システム)挿入を行います。
- 術前検査の採血を行います(血液型、血算)。
- 手術日を決定します。(水曜・土曜に手術希望の方は要相談)
初診時にかかる費用
初診料+超音波検査+術前検査でおおむね6,300円程度です。予約時に現金で11,000円をお預かりしますのでご準備下さい。(手術の前日までにキャンセルの連絡があり、来院された場合はお返しします。)クラミジア・淋菌検査は追加料金がかかります。
注意1. 以下の場合は他院紹介となることがあります。
持病やアレルギーの既往、巨大筋腫や帝王切開創部妊娠などが疑われる場合、血液型がRh陰性、妊娠週数が10週以上などハイリスクと考えられる場合
注意2.配偶者の同意
未婚の方は必要ありません。配偶者は胎児の父親ではなく、法律上の配偶者です。配偶者と連絡が取れない場合やDVなどで婚姻関係が事実上破綻し、同意を得ることが困難な場合は本人の同意のみで手術可能です。
手術当日
- 水分は少量摂取可ですが、朝食は食べずに来院してください。常用薬は内服して下さい。
- 出産経験のない方および妊娠8週以上の方は子宮頚管拡張処置を行います。処置後は2時間程度、院内で待機していただきます。
- 会計を行い、抗生剤や子宮収縮剤などの処方薬をお渡しします。
- 手術は静脈麻酔を使用し、眠った状態で行います。MVA(手動真空吸引法)を使用し、超音波で見ながら行います。麻酔で眠っている時間は10-15分程度です。
- 術後、麻酔がしっかり醒めるまで1-2時間個室で安静にしていただきます。(付き添いは1人まで可能です)
- 帰宅前に内診で出血の具合を確認し、帰宅となります。
手術当日にかかる費用
再診料+手術費用で111,100円程度です。
出産経験のない方および妊娠8週以上の方は子宮頚管拡張処置を行いますので、プラス11,000円かかります。
注意1. 手術合併症について
詳しくは術前に説明しますが、絨毛遺残、子宮穿孔、子宮頚管損傷、子宮内癒着、感染、アナフィラキシーショックなどが報告されています。
注意2. 当日の注意
麻酔の影響が出る場合がありますので、自転車や自動車の運転はお控え下さい。
お子様の同伴はご遠慮下さい。
術後の生活について
食事は通常通り、術後診察まではシャワーのみでお願いします。
翌日以降は無理のないように生活していただき、できれば2-3日は安静にしましょう。診察を受けるまで性行為は控えて下さい。
38度以上の発熱、月経痛を超えるような痛みや多量の出血、帯下の臭いが気になる時は早めに来院して下さい。
次の月経は手術後30-40日ぐらいで始まるのが普通です。月経が来る前に妊娠することもあります。
術後1週間健診
診察、超音波検査を行い、異常がなければ終了です。避妊薬希望の方は処方可能です。
術後健診時にかかる費用
再診料+超音波検査で3,300円程度です。
